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  • 執筆者の写真米田太郎

保育士がやめてゆく


保育士が大量にやめてゆく。そして新しい職員がやってくる。


さまざまな保育観をもった職員がチームを作る。

遠慮が隙間を作る。

同僚性はなかなか向上しない。


チームワークが取れないことは、安全や保育の質の低下を招くだけでない。


チームワークが取れなくなれば、

人任せになる。

仕事の能率は悪くなる。

仕事はたまり、質は低下する。


保護者への説明に一貫性がなくなる。

保護者からの信頼を得られなくなる。

保護者との関わりが辛くなる。

接触を避けるようになる。

さらに信頼度が下がる。


うまくいかないことが続けば、

誰かのせいにしたくなる。

職員間の隙間がさらに広がる。


という悪循環を誘発している。


これに、今回のような、将来性を感じないだとか、低処遇やサービス残業など、「保育園はブラック業種」報道が追い討ちをかける。「この園じゃなかった」とやめてまた次を探す。


大量退職には、さまざまな原因があるので、定型的に語るのは好ましくない。実際に給料が低く生活のために転職した人、休みが取れずに辞めた人も多くいるはず。ひどい園も中にはあるのかもしれない。

けれど、やはり賃金や休日・休暇の問題だけではないと思う。


平成30年度の東京都保育士実態調査によれば、


職場への改善希望事項のトップは

・給与・賞与の改善 66.7%(複数回答)

続いて、

・職員数の増員 50.1%

・事務・雑務の軽減 49.0%

・未消化(有給等)休暇の改善 36.5%

・勤務シフトの改善 32.0%

・職員間のコミュニケーション 22.7% となっている。


退職意向理由のトップは

・給料が安い 68.7%

続いて

・仕事量が多い 61.9%

・労働時間が長い 47.4%

・職場の人間関係 37.1% となっている。


確かに賃金や業務負担などが上位を占めている。

しかし、コミュニケーションの改善を希望している人も20%を超えている。


もし、同僚性が低いことが、離職の原因であるならば、なんとかできないだろうか。同僚性の低下によって、記事の通り、安全の確保や、発達に応じた保育、など、子どもにしわ寄せが及んでしまうことは、想像に易く、悲しいことだと思う。


では、

どうしたら良いのか。


保育現場が抱える課題解決を行政に任せきりにするのではなく、

保育現場の同僚性を向上させるためリーダーシップが求められている。

園長や主任保育士といった、リーダーの育成が必要になっていると思う。


給料や人の採用は、保育士がどうにかできるものでもないので、

行政がすすめる、キャリアパスやそれに連動した給与体系の構築も必要な考え方だし、必要な手当てかとも思う。働き方改革を進めて、しっかり休める勤務体制を整えることも重要だと思う。


けれど、

現場職員の手で行える改善もたくさんあるはず。

そのためには、協力しあえる職場の人間関係はとても大切だと思う。

職場の人間関係が向上すれば、退職意向理由の

「仕事量」「労働時間」のうち、全てではなくても、改善できる部分も多くあると思う。


職場内の同僚性の向上が鍵のような気がする。


園の理念や方針に向かう保育を良き仲間とできること

そして、子どもの笑顔を保護者の安心する顔を見られることで保育士は輝くはず。


働き方改革は、「休み方」を考えるのではなく、

仕事によってどんな喜びを得たいのか、

誰かためになっているか 

という、本当の「働き方」を考えることではないのだろうか。














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